ドイツにおけるクラブの在り方ついて|杉崎達哉

杉﨑達哉

10月5日、ガンバ大阪の元日本代表MF遠藤保仁選手がJ2ジュビロ磐田に期限付き移籍することが発表されました。
クラブの象徴であり在籍20年のベテラン選手の移籍は大きな反響を呼びましたね。

今回はドイツにおけるクラブの在り方ついて考えてみたいと思います。

クラブに関して日本とドイツで違いは幾つかあります。
まず、ドイツでは学校単位でサッカーの大会が行われることほとんどありません。
また一つのクラブにサッカーだけでなく、陸上やバスケットボールといった他の競技も同じように活動する…いわゆる総合型クラブが数多く存在します。
話題をサッカーに特化すると、多くのクラブで園児から大人まで一貫してプレー出来ることが大きな特徴です。それ故、同じクラブで20年、30年プレーしている人も多く存在します。それを可能しているのはチーム数の豊富さにあります。

例えば成人した大人がプレーしたい場合、クラブによっては大人のチームが1軍から4軍まであったりします。そのため、自分のレベルにあったチームでプレーすることが可能になります。
またシニアチームやオーバー40歳と言ったカテゴリーもあり、一つのクラブでずっとプレー出来る仕組みが存在するのです。
またどんなに小さい規模のクラブにもサポーターがいて、試合はもちろんのこと練習から熱心に応援してくれる人、少額ながらもスポンサーとなって支えてくれる人なども数多く存在します。さらにはホームゲームの年間チケットやマフラーやキャップを販売しているクラブなどもあります。競技レベル関係なく我が町クラブに誇りを持った人が沢山います。
以上がスポーツ的な観点でみるドイツのクラブになります。

次に社会的な側面からドイツのクラブというものを捉えていきたと思います。こちらでもクラブは大きな役割を果たしています。
多くのクラブには専用のクラブハウスがあり、そこでは子どもたちの練習や試合を見学したり、大人のチームの練習後にはみんなでビールを飲みならが談笑する光景を見ることができます。また、クラブハウスを貸し切って誕生日会を行ったり、地域の人たちがお祭りなどの催し物を行うためにクラブハウスが使われる事もあるのです。サッカーをしていなくてもクラブハウスに行けば誰かがいる…そんなクラブがドイツには多く存在しています。

このようにドイツでは地元のクラブを誇りに思いそこで生涯プレー出来るという環境があります。
時間のかかる事とは思いますが、日本でも将来的にはドイツのようなクラブが多く出来ればいいなと願っています。

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