親御さんとクラブにおけるサッカーへの関わり

杉﨑達哉

私の住んでいる州はいよいよ今週末から全ての子供たちの年代でリーグ戦が開幕します。

日本同様、ドイツもサッカーに熱心な親御さんたちが多く存在しています。そこで今回はドイツでの親御さんとクラブにおけるサッカーとの関わり合いについて語っていきたいと思います。

ドイツではよく親御さんの事を『タクシーの運転手』と呼んだりしています。練習場から近い選手は別ですが、ドイツでは多くの場合、両親は我が子を車で送り迎えしています。この傾向は年齢が低ければ低いほど当てはまります。ちなみにこれは学校の登下校も同じで、基本的に集団登校というのはなく、両親が子供と一緒に学校まで行っています。
練習中はそれぞれですが、大半のクラブにはクラブハウスが設置されているのでそこでコーヒーを飲んで過ごしたり、親同士で話をしていたり、我が子の練習を見るなどして時間を使っています。練習後は選手がシャワーを浴びるのでそれを待って家路につきます。クラブでの滞在時間は2時間半から3時間半といったところでしょうか。

試合の日も同様に親御さんは選手を車で会場まで連れていきます。公共交通機関を使って試合会場まで移動する事はほとんどありません。会場ではもちろん試合を観戦するのですが、応援に熱が入りすぎて審判の判定に大声で意を唱えたり、相手チームの親と言い合いに発展することもたまにあります。
このようにとても協力的なドイツの親御さんですが、我が子が試合に出られなかった場合、日本とは大きく違う点があります。
試合直後に監督のところに来て『自分の息子はなぜあまり(全く)試合に出ることが出来なかったのか』といった質問をしてくることが多々あるのです。これはドイツで指導している方なら一度は必ず経験したことがあると思います。

このような場合の対処としては、試合直後は絶対に話をしないことです。親御さんは我が子が出られなかった事もあり大半が頭に血が上った状況です。一方の監督も試合後は興奮状態にあります。そのような状況で話をしてもお互いが感情的になり解決しない場合がほとんどです。そのため、次の練習の前に話す時間を設けることにしています。時間を空けることでお互いに冷静になるのでまともに話をできる状態になります。

また話し合いをするときにはクラブの責任者も交えて行うことが多いです。第三者の目があれば納得できる部分も出てくるからです。
後は出場時間やトレーニグの出席状況など、客観的数字を提示することや、この部分が劣っているからといった具体的なプレーについてビデオなどを使って説明することもあります。
このようにドイツでは時々親御さんが熱くなることもあります。しかしそれもチームや自分の我が子を思っての行為であるので理解できる部分もあります。

次回はドイツのクラブについてもう少し焦点を当てて見たいと思っています。お楽しみに。

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