サッカーを楽しむ

鬼丸翼

終着点は重要じゃない。
旅の途中でどれだけ楽しいことをやり遂げているかが大事なんだ。
 
- スティーブ・ジョブズ -

大好きな言葉だ。

私には今年2歳を迎える息子がいる。
私自身が、サッカーにまつわる仕事をしてしまうくらいサッカーが好きな人間であるゆえ、
息子にサッカー選手を目指して欲しいと思ってしまう事は、私自身のエゴなのか?と自分に問うこともある。
しかし本心は、「楽しい人生を思いっきり生きて欲しい」である。更に言えば、彼が思う「楽しい」の中に
私が「楽しい」と思うサッカーがあれば最高だ。では無いだろうか?

では「楽しい」とはどんな感情のことなのか?
喜怒哀楽という言葉がある様に、感情の一部である事は間違いないが、「楽しい」という3文字を
伝える事は容易な事では無い。「サッカーってどこが楽しいの?」と息子に問われた時、私が一つ一つ丁寧に
話をしたところで、息子は大きなあくびをして寝てしまうだろう。つまり、楽しいを言葉で伝えるのは少し難易度が高い。
人間が楽しいを知る時に「楽しいかも‥」という興味から入るのが一般的では無いだろうか?
興味を魅かせるということであれば、ぐっとハードルは下がる。

それでは興味はどの様に魅かせて行くべきなのか?

それは、私自身がサッカーを楽しむことである。サッカーを一緒にしたり、サッカーを一緒に見たり、一緒に選手を応援したり‥
サッカー好きの当たり前の行動を共有することで、息子の興味に繋がっていくと私は思う。
そして、サッカーチームに入り彼が試合に出場する時に、本当の意味で「楽しい」を体現するのでは無いだろうか?
これは単なる入り口に過ぎない。スティーブ・ジョブズの言葉を借りて言えば、楽しいことをやり遂げているかが大事なんだ。
つまり、突き詰めて行かなければ更に先にある楽しいには到着しない。楽しいの先、それは夢では無いだろうか。
サッカー選手になる。という夢が選手を育てていくのでは無いだろうか?
プロサッカー選手になれる人間はほんの一握りである。その事に気づいた時に
初めて「メンタル」が試されるのでは無いかと思う。
このメンタルを鍛えることこそが、息子が楽しい人生を思いっきり生きる
上で、最重要ポイントでは無いかと考えている。

私は、自分の息子には楽しいことをやり遂げる人間になってもらいたい。

親として、どの様に接する事がベストなのかは未だに未知の部分ではあるが、彼がサッカーを楽しいと感じてくれるのならば
一番のサポーターでありたいと思うことは、子供を持つ親であれば誰もが感じることだと思う。
ただし、監督にはなってはいけないと思っている。なぜならば私はサッカーのプロフェッショナルでは無いからだ。
1個人として、自分の立ち位置をしっかりしなければ、選手のモチベーションにも繋がってしまう。

一番のサポーターとして選手を応援し続けるのだ。

思い浮かべて欲しい、チームが波に乗れない時や連敗し続ける時に、一番の起爆剤はなんであろうか?
社長である小松原学はサポーターだったと言い切った。もちろんサポートするからこそ、厳しい言葉を使う時もあるだろうが、
選手が頑張っている姿を応援するのでは無い。サポーターとして一緒に戦うのだ!
子供にしか出来ないこともあれば、親にしか出来ない事もある。それぞれの役割分担をしっかりと把握し
雨の日も、風邪の日も一緒に戦うのだ。

だって我々はチームなのだから。

write by 鬼丸翼

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